「カエル合戦（その２）」啓蟄（けいちつ）の日〜水辺をめざして　の続きです。　

カエル合戦（その３）　啓蟄（けいちつ）の日〜水辺に到着！

	ねえ、見て！ ど迫力アップのぼくたちの顔。 上に乗っているオスは、顔がややとんがって体は小さめ。下にいるメスは顔がまあるく、身体が大きいので区別がつくよ。 う〜ん、水辺の匂い。いよいよお池に近い。
	ここはアシ原の中。 日本は昔（古事記の中で） 「豊葦原の国（とよあしはらのくに）」と呼ばれたように、どこにでもアシ原が広がっていたんだ。 でも、今は水辺が激減してなかなか見られません。 アシ原は水辺の植生の特徴、いよいよ池が目の前だ。

	アシ原のすきまからのぞいて見ると おーっ、水辺だ！ 静かな夜の池にお月様が映って、なんともいい感じ。 しかも緩やかな傾斜で池に入れる。最高です。 今ぼくは写真右下のアシ原の中にいます。
	目を横に向けて見回すと、なんと池の中には菖蒲がいっぱい。 池の中に水草が生えていると、産卵した卵が流されないで引っかかり、しかも周りからも見にくくて、とてもいいんです。 キャー、素敵！。 （東京・大田区・平和の森公園・ひょうたん池）
	もう、待てない、どぼ〜ん。 お池に飛び込んで、ああ、いい気持ち。 遠路はるばる歩いて、お肌乾いちゃったからホッとしています。

	彼女も見つかって、抱接（ほうせつ）しています。 水の中でじーっとしているだけじゃないんだよ。 ぼくの手は彼女の脇腹を強く押して、産卵をうながしているんだよ。 赤ちゃんを産むのはオスとメスの共同作業なんだ。
	うわあ、水の深い不安定なところに来ちゃった。 でもここには水草がいっぱいで、彼女が茎につかまって支えてくれるから助かります。 （メスの前足、よく見てね） 最近は浅場の池が無くて困ります。 オスはこんなふうに黄色くて小さいのが、多いんです。

ヒキガエルたちはやっと池に着きました。まだ数も少なく、みんな抱接していて幸せそうでした。
この日はメスを争う「カエル合戦」は見られませんでした。数日後どんな変化が待っているでしょうか。
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